シックハウスによる健康被害を認める判決が出ました。

 

新築マンションを購入された入居者が、入居直後から、

建材から放散されるホルムアルデヒドにより頭痛、疲労などの

シックハウス症候群と思われる症状を発症し、

その後化学物質過敏症に移行したというもの。

症状との因果関係については、

「元々アレルギーはあったが入居前までシックハウス症候群の様な症状はなかった」

と医師の診断を踏まえています。

詳しい記事は下記の毎日新聞のHPへどうぞ

【記事名】 シックハウス:住宅販売会社に賠償責任 東京地裁判決

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20091002k0000m040093000c.html

【記事名】 シックハウス:原告の岡谷さん「生活は変わらない」

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20091002k0000m040119000c.html

 

記事にもあるとおり、この事例の場合は、

①施工者に国の定めた基準に適合する建材を使用させなかった

②不適合建材を使用していることやリスクを入居者に説明しなかった

③完成後も適切な措置をとらなかった

という点の過失を認めたもの。

 

①②の、不適合建材とはホルムアルデヒドを高濃度で放散する建材のことでしょう。

シックハウスに関する規制が法制化が始まったのが2002年からなので、

このマンションが建てられた当時は、

ホルムアルデヒド等の危険性は分かっていても、

危険な建材が普通に使われていた時代

です。

敢えて太字にしたのは、

シックハウスの危険性は1990年代には既に問題になっていたからです。

特に2000年ごろには危険性について十分な認識もあったと思います。

それにもかかわらず、法規制が成されるまでは不的確と思われる建材が

当たり前に使われていました。

 

ドイツでは、「家は第3の皮膚」と言われているそうです。

以前にも紹介しましたが、

私達が体に取り込む物質量の実に57%が室内空気からのもので、

それは汚染物質も同じです。

食物や飲料から取り込まれるのが15%程度ですから、

空気の大切さがよく分かります。

化学物質まみれの衣服を着たくはないですよね。

このときのブログはこちら ↓

http://www.aim-kankyo.jp/blog/category/the-indoor-environmental-case/

 

現在はシックハウス規制法により使用できる建材が決められています。

今回問題になったホルムアルデヒドを使用していない建材も増えています。

しかし、

ホルムアルデヒドやガイドラインの設定されている化学物質を使用しない代わりに、

それ以外の化学物質が使われ、これらについての規制はありません。

つまり、シックハウスの危険性は過去も今も同じです。

 国産無垢材や漆喰、石材など、

自然素材を選択する方が増えているのは、

このような事情も踏まえているのでしょう。

 

シックハウス症候群は、全ての人が平等に発症するわけではありません。

個人差があります。

家に長時間いる女性の方が発症する率が多いそうです。

そして、シックハウスのつらさは

「発症して人にしかわからない」と言われています。

詳しくは下記をご覧下さい ↓

http://www.aim-kankyo.jp/blog/sickhouse/%e3%82%b7%e3%83%83%e3%82%af%e3%83%8f%e3%82%a6%e3%82%b9%e3%80%80%e3%81%93%e3%82%8c%e3%81%a0%e3%81%91%e3%81%af%e7%9f%a5%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%84%e3%81%9f%e3%81%a0%e3%81%8d%e3%81%9f%e3%81%84%ef%bc%81/

 

そしてもう一つ、

新築やリフォーム後にシックハウスが発症するのは、

それまでに体内に蓄積された化学物質量が関係しているとも言われています。

つまり、新築やリフォーム以外にも、

何がシックハウス発症の引き金になるかは分からないのです。

 

ソファーやタンスを新調したり、カーテンやブラインドを新調したり、

畳を張り替えたりしても、

それらに化学物質や農薬がたくさん含まれていれば

シックハウスを発症する引き金になるかもしれません。

芳香剤や香水、殺虫剤なども引き金になるかもしれません。

化学物質に敏感な人は、新車にも乗れないそうです。

ということは、これも引き金になるかもしれません。

新しい出版物の臭い、インクに含まれる化学物質、これも引き金になるかもしれません。

賃貸のアパートやマンション、新しく入居するほとんどの場合、

リフォームされています。消毒もしています。

これも発症の引き金になるかもしれません。

新築・リフォーム後の宿泊施設の空気、

接着剤や塗料の臭いがする場合は、発症の引き金になるかもしれません。

 

現代社会で生活している私達が、化学物質と無縁な生活を送ることはまず無理です。

しかし、気をつけることはできます。

特に、自宅に使用する建材や工法・家具や住設機器などは、

皆さん自身に選択権があります。

室内の化学物質(合成有機化合物)を少なく保つための建材や工法も存在しています。

ただ、それらの建材や工法を採用すると建設コストが高くなります。

悲しいことに、予算が厳しい場合にまず削られるのがこれらの建材等なのです

健康でありたいけれど、自分に症状がないと危機感は生まれないのでしょう。

住宅をつくる場合の健康に対する投資は優先順位が低いのが現状です。

このような選択が元で、シックハウスを発症してしまった人の事例も時折耳にします。

当事者になった方は、とても後悔されています。

 

シックハウス発症のリスクは誰にでもあります。

発症するかしないかは、もしかしたら運次第なのかもしれません。

ただ、空気環境に対する意識をドイツのような意識(「家は第3の皮膚」)

にすることができれば、シックハウスのリスクも減るのではないかと思います。

今回のシックハウス訴訟の判決は、

私達に今一度考える機会を与えてくれたのではないかと感じています。

 

来週リフォームの下見に伺うお宅は、

「いつまでも健康に生活したいから、リバース工法でお願いします」

といってお電話をいただきました。

ありがたいことに、この方の第一優先は「健康」ですので、

お客様の期待にお答えするべく、心地よい空気環境の家をご提供したいと思います。

リフォームの模様は随時紹介させていただきます。